- 2023.11.10
- 【情報】片耳難聴について
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今回のにこ~るブログは片耳難聴についてお話いたします。
【片耳難聴とは?】
片耳難聴は、右耳か左耳か、また難聴の程度は問わず、片方の耳の聴力は正常値でもう一方の耳が難聴の値である状態を言います。
子供の場合は、先天性の内耳や中耳の形成不全や、幼少期に発症したおたふく風邪(ムンプス)の後遺症である「ムンプス難聴」(※1)が原因で片耳難聴になることが多いです。
成人の場合は、突発性難聴やメニエール病、中耳炎、聴神経腫瘍(※2)の発症が原因で片耳(まれに両耳)がきこえない、きこえにくくなることがあります。
両耳で音をきくと、片耳できくよりも音を大きくきくことができます。また、音の発生する方向を知ることができます。このほかにも「カクテルパーティー効果」という騒がしい雑音の中でも、ききたい音にフォーカスを当てることができます。ですが、片耳難聴になると、これらの効果が得られなくなります。
(※1)ムンプス難聴…おたふく風邪にかかったうちの約1,000人に1人の割合でなる。大人でも特に小さい子供を育てている30~40代がおたふく風邪を罹患することがある。中には不顕性感染というおたふく風邪の症状が現れない状態があり、おたふく風邪にかかったことに気づかないうちにムンプス難聴になることもある。
(※2)聴神経腫瘍…耳から脳へつなぐ神経に生じる腫瘍のこと。腫瘍はほとんどが良性で、発症頻度は10万人に1人程度。
【片耳難聴で困ること】
1,きこえにくい方の耳側から話しかけられてもきこえない。(きこえない方の耳側から発生した音を頭が妨げてしまうため、反対側のきこえる耳にも音が届きにくい)。
2,騒がしい場所ではきこえにくい。
3,どこから声がするのかわからない。
他にも、両耳がきこえる人よりもきき取りに集中することが必要なため、精神的に疲れてしまったり、自身の片耳がきこえない(きこえにくい)ことを周囲に話してあっても、そのことを忘れられてしまうことがあります。また、「もう片方の耳はきこえているんでしょ?」と理解や配慮をしてもらえないこともあります。
【片耳難聴のある人に対する配慮について】
特に当事者の方がきき取りにくい場面を中心に、周囲の人が可能な配慮をまとめてみました。
・きこえる側の耳の方から話しかける。
・室内の雑音を減らす。例:教室で授業をする際は窓を閉めて、外の音を遮断する等。
・遠くから声をかける時には、視覚的に分かるように手を振るなどして分かりやすく呼びかける。
・音のする方向が分からず困っている時は、その方向を教える。
・注意を促してから言葉がけをする(気が付いていない時は肩をたたくなどして気づかせる)。
・にぎやかな場所では近づいてはっきり話すか、静かなところへ移動する。
下記参考資料には、より詳しく片耳難聴についてまとめられております。
【参考資料】
・『片耳難聴Q&A 聞こえ方は、いろいろ』(岡野由実著、学宛社、2023年)https://www.gakuensha.co.jp/book/b621534.html
・きこいろ – 片耳難聴の情報・コミュニティサイト https://kikoiro.com/
・理解されにくい片耳だけの難聴、聞きやすくする方法とは? – シグニア補聴器 | Signia
https://www.signia.net/ja-jp/blog/local/ja-jp/introduction-of-cros-bicros-system/