- 2020.04.28
- 補聴器研修報告書2~補聴器調整ソフト編~
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補聴器特集第2回目は補聴器とその音を調整するソフトについてお話いたします。
【補聴器の調整機械】
補聴器は、フィッティングと呼ばれる音の調整を行ないます。聴力測定(※1)を行なったオージオグラム(※2)のデータを入力し、各周波数の音量の上げ下げや、ハウリング抑制(※3)のための初期化をします。両耳に補聴器を装着する場合は、片耳ずつでも調整を行なえます。
また、屋内で使用することが多い場合、屋外の少し騒がしい場所に行くことが多い場合等、個人の使用用途でプログラム(声を聞き取りやすくするモードや雑音を抑制してくれるモードなど)の変更をすることもこの時に行なえます。
(※1)健康診断で行なう聴力検査と同じですが、補聴器販売店では「検査」ではなく「測定」という用語を使用します。
(※2)聴力をグラフ化したもの。各周波数の音のきこえを測定した際に右耳は赤の直線と〇、左耳は青の点線と×で表記します。表の横軸「周波数(Hz)」が音の高低。表の左側が低い音で、右へ行くほど高い音です。縦軸「聴力レベル(dB)」が音量を表しています。また、聴力レベル0が20歳の人がぎりぎり聞こえる音の基準で、記号が上の方にあるほど小さい音が聞き取れていることを表しています。
オージオグラムの図(例)
研修時、オージオメーター(聴力を測る機械)の操作をする練習をしました(2人一組で機械を操作する人、測定を受ける人に別れ練習しました)。上図は、筆者が測定を受ける立場になった際に出た数値をグラフ化したものです。完全な遮音空間で行なっていない(特に低音が周囲の雑音に紛れてしまっている)ため、聞き取りの数値が悪くなっています。
(※3)マイクをスピーカーに近づけると「ピー」という音が鳴る現象が、補聴器でも起こります。それを抑えるシステムが補聴器には備わっています。
【補聴器から聞こえてくる音】
調整ソフトの操作方法を教わっている時、実際に両耳に補聴器を装着して操作しました。
補聴器を通じて聞く音は、いつも聞く音と違ったり(※4)、普段は脳がうまく処理している雑音までもがダイレクトに入ってきてしまったり(※5)と違う聞こえを体験しました。慣れない音を聞き続けたためか、途中から頭が痛かったです。
(※4)チャック付きポリ袋をくしゃくしゃさせる音は、補聴器を通すと聞いたことが無い不思議な音がしました。
(※5)研修時、筆者の席の近くにプロジェクターが置いてあったのですが、そのモーター音が気になるくらいの音で聞こえました。また、研修用の資料の紙をめくる音もかなり大きい音で聞こえました。
研修後、眼鏡を使っている筆者の知り合いにこの件を話したところ、初めて眼鏡を使った時に色々なものが見えすぎて頭が痛くなった経験があるらしいです。使っているうちに頭痛はなくなり、眼鏡の視界に慣れてきた今では眼鏡がないと困ってしまうとのこと。これは補聴器装着の際にも同じことが言えます。最初に着けた時に、違和感があっても、すぐに装着を辞めずに、慣れを要するということですね。また補聴器を購入したお店に何回か通っていただき、自分の聞きやすい音に調節してもらうことも大切です。
もし、「購入した補聴器の聞こえがしっくりこない!」という方がいらっしゃいましたら、当社の「にっこり補聴器屋さん」まで、お気軽にご相談ください!
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