- 2020.06.18
- 電話リレーサービスについて
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2020年6月5日に「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律案」が可決、成立しました。(※1)
この名前だけを見ると、「耳がきこえない・きこえにくい」ことと「電話利用」ということのつながりがピンと来ない方もいらっしゃると思います。今回のにこ~るブログは、「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律案」と、この法案に関わる事業「電話リレーサービス」についてお話いたします。
(※1)日経新聞 「手話で電話利用を仲介、聴覚障害者向け 新法成立」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60012850V00C20A6EA3000/
まず、「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律案」とは、きこえない・きこえにくい人が電話を円滑に利用できるよう、国によって基本方針が策定され、電話リレーサービスの業務(者)に交付金が交付される制度を創設するための法案になります。
電話リレーサービスとは、きこえない・きこえにくい人が、手話通訳や文字通訳を行なうオペレーターを仲介して、電話で予約やお問い合わせ等を行なえるサービスになります。身体障害者手帳(聴覚)をお持ちであれば利用できます。
利用者はパソコンもしくはスマートフォンから、事前に利用登録した電話リレーサービスにつないで問い合わせます。利用者とオペレーターは、文字または手話でやり取りをします。その際オペレーターは、やり取りの内容を相手先の聴者に通訳します。
電話でのやり取りになるため、FAXやメールよりもリアルタイムで回答を得られます。また、お問い合わせ先が電話のみの場合でも、電話リレーサービスを介して問い合わせることが可能です。
現在、日本財団が試験的にサービスを提供しております。(日本財団電話リレーサービスホームページhttps://trs-nippon.jp/)しかし、現行のサービスは2021年の3月31日で終了してしまいます。「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律案」が成立したことにより、
1、24時間365日電話をかけることができる
2、110番、119番などの緊急通報ができる
3、きこえない・きこえにくい人と聴者とで双方向のやりとりができる
上記3点のサービスを備えた公共インフラとしての電話リレーサービスが2021年4月(※)より開始されます。
今後、電話リレーサービスを介してのお問い合わせが増えてくるかもしれませんね。
(※)2021年7月2日追記。サービスは2021年7月から開始されました。新しい、サービスの詳細については https://www.wp1.co.jp/blog/5424/をご覧ください。
参考資料:
・聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律案の概要
https://www.soumu.go.jp/main_content/000671956.pdf
・衆議院 聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律案
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g20109027.htm
・厚生労働省 電話リレーサービスについて
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000576648.pdf
・NPO Information Gap Buster(インフォメーションギャップバスター)ホームページ「電話リレーサービスとは?」 https://www.infogapbuster.org/trs
・日本財団電話リレーサービスホームページ 「新ノーマライゼーション2020年3月号」