にこ~るブログ
2020.09.04
「突発性難聴」とは?

 9月になりました。台風のシーズンになってきましたね。今年は海水の温度の高いところが広い範囲である(9月4日時点)ため、台風の勢力が強いまま日本列島に上陸する可能性が高いそうです。今のうちに、台風に向けて備えておきましょう。

 こちら(https://www.wp1.co.jp/blog/2504/)のページも参照の上、避難も想定した準備をしてくださいね。

 

 さて、今回のにこ~るブログは、実際に有名人がなっていたり、物語の題材になっていたりしていて、名前を耳にしたこともある方も多いであろう耳の病気、「突発性難聴」についてお話いたします。

 

【突発性難聴とは?】

 突発性難聴とは、ある日突然、片耳が聞こえなくなる、原因不明の高度な感音性難聴(※1)です。原因がはっきりしている疾患の検査をして、それでも当てはまらない場合に突発性難聴と診断されます。急性感音性難聴を起こす疾患で、原因がはっきりしている物は別の病名があるので、経過を見ているうちに、病名が変わることもあります。

※1感音難聴…内耳以降の感覚器の障害による難聴。音が歪んで聴こえる。⇔伝音難聴(※2)

※2伝音難聴…外耳、中耳の伝音器官の障害による難聴。

・難聴について詳しく知りたい方はこちら

 

【突発性難聴の症状】

 突発性難聴は、前触れなく突然片耳(まれに両耳)の聞こえが悪くなります。また難聴の発生前後に、耳鳴り・めまい・吐き気を伴うこともありますが、メニエール病(※3)のように繰り返して起きることはありません。

 難聴の種類は感音難聴です。高音が聞こえない、もしくは全音域が聞こえない状態になります。

※3メニエール病…耳の病気の1つで、耳鳴り・めまい・吐き気・難聴を繰り返して起こすのが特徴。メニエール病につきましては、こちら

 

【原因】

 音を伝える有毛細胞が何らかの原因で損傷・破壊されることで、症状が現れます。有毛細胞が傷ついてしまうのは、ウイルスや有毛細胞に血液を送っている血管の血流障害が原因ではないかとされていますが、まだ明らかになっていません。現時点では、ストレスや過労・睡眠不足があると起きやすいとされています。

 

【治療について】

 薬物療法が基本。発症後1週間以内に適切な治療を受けることが大切です。また、ストレスの影響が考えられる場合は、安静にして過ごすことが推奨されます。

 

【まとめ】

 突発性難聴は、発症後1週間以内に適切な治療法を受けることで、約40%の人は完治し、50%の人にはなんらかの改善がみられます。ただし、回復しても難聴や強固な耳鳴りが残る人や失聴したままの人もいます。治療開始が遅れるほど、完治が難しくなってしまうため、おかしいな?と思ったら、一刻も早く専門の病院を受診することが重要です。

 

参考文献

・MSDマニュアル家庭版 突発性難聴の項目

https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

・ドクターズファイル 突発性難聴の項目 https://doctorsfile.jp/medication/220/

・E-ヘルスネット 突発性難聴の項目

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/sensory-organ/s-001.html

・『新・病気とからだの読本7 目と耳と鼻の病気』(暮らしの手帖社)P.247~P.260「突発性難聴」(神崎仁著)