- 2020.10.15
- 書籍紹介:『龍の耳を君に』
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「読書の秋」と言われる季節になりましたね。今回のにこ~るブログは、そんな季節に読むのにピッタリな本をご紹介いたします。丸山正樹さん作、『デフ・ヴォイス』シリーズ第2作目、『龍の耳を君に』です。
『龍の耳を君に』は、前作『デフ・ヴォイス』に続く社会派ミステリーです。ろう教育や中途失聴・難聴者のアイデンティティ問題の他、発達障害や緘黙症(※)についても触れています。
※発声器官には問題がなく、言葉を理解し言語能力がある人が、特定の状況で話すことができなくなってしまう精神疾患。場面緘黙症(選択性緘黙症)と全緘黙症の2種類がある。
表題作『龍の耳を君に』あらすじ
手話通訳士の荒井は、緘黙症の少年に手話を教えることになった。
少年は手話を積極的に覚え、みるみる上達していく。
ある日少年が突然、彼の家の近所で起こっていた殺人事件について手話で話始める。少年の証言は、果たして認められるのだろうか……?
タイトルに出てくる「龍の耳」。「何故、龍の耳?」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、「ろう」という漢字は「聾」というように表記します。「龍の耳(聾)」という言葉が表題作の物語上のキーワードとなっております。
前作同様に作りこまれた内容と、前作よりも踏み込んだ、ろう者や日本手話で話す人達の「声」に触れてみてはいかがでしょうか?
以前、『デフ・ヴォイス~法廷の手話通訳士~』をご紹介した際に、『龍の耳を君に』が文庫版となって発売される旨をお知らせいたしました。『デフ・ヴォイス』ファンの皆様、大変お待たせ致しました。WPオンラインでも『龍の耳を君に』の文庫版が販売開始となりました!
『龍の耳を君に』商品紹介ページ
https://www.wp-shop.net/shopdetail/000000000017
前作の『デフ・ヴォイス』を未読の方は、先に『デフ・ヴォイス』をお読みいただくと、『龍の耳を君に』をより楽しむことができますので、この機会に是非お手に取ってみてくださいね。
『デフ・ヴォイス~法廷の手話通訳士~』商品紹介ページ