- 2022.02.04
- 第17回手話寺子屋オンライン講演会
-
1月22日(土)に第17回手話寺子屋オンライン講演会を開催いたしました。テーマは『ろう者が活躍「さんさん山城」SDGs(※1)』。さんさん山城施設長の新免修(しんめんおさむ)氏にご登壇いただきました。今回の講演会は、講師の新免氏だけでなく、「さんさん山城」の利用者のろう者の方が、数名出演し、ご自分の作業や「さんさん山城」についてお話しいただく場面もありました。みなさん、ご自分の仕事に誇りをもって楽しく作業をされていることを、生き生きと話してくださりました。
「さんさん山城」は2011年4月に京都に開所された、聴覚障がい者向けの就労支援施設(就労継続支援B型(※2))です。農福連携(※3)を行なっている施設で、利用者はろう者・難聴者が一番多いそうです。その他には精神障がい者の方や知的障がい者の方も入所されているとのこと。聴者の方が入所したら手話を覚えてもらって、手話でコミュニケーションを取るそうです。ろう者や難聴者が自然に手話で話す環境ですので、後から入所した聴者でも手話の習得が早いようです。
「さんさん山城」では農業を行なっており、普通の農家なら処分してしまう規格外の野菜も、併設のカフェでランチメニューに使い廃棄野菜を出さないそうです。当日のメニューは1つですがワンコインとお手頃価格でいただけるので、地元はもちろん遠方からも食べに来られる方がおられるようです。スーパーマーケットでは売られていない海老芋や京都田辺なすは、こちらのランチでいただけるそうです。
また、こちらで収穫した野菜は京都の有名なレストランで使われるなど、地域に根差した取り組みをされています。さらに、「さんさん山城」では加工食品も作っており、人気の商品がいくつかあります。収穫したお茶の葉から作った濃茶大福、唐辛子や山椒などの入った七味、お話しを伺うととても美味しそうで、ぜひ味わってみたいと思いました。
「さんさん山城」の特徴で印象的なのは、利用者だけが作業するのではなく、職員も一緒に行なうという点です。といっても、職員が利用者をサポートするという形ではなく、技術のある人に教えを請い、自主的に活動していくというスタイルとなります。仕事内容を紹介してくれたろう者の利用者さんたちが生き生きとお話しされていたのも納得でした。
現在第18回と19回のオンライン講演会の参加者募集中です。詳細は下記URLからご覧ください。
皆様のお申し込みをお待ちしております。
さんさん山城 http://www.kyoto-chogen.or.jp/communityplaza/sunsunyamashiro/
(※1)SDGs…持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)。「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標。https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html
(※2)就労継続支援B型…障害のある方が一般企業への就職が不安、あるいは困難な場合に、雇用契約を結ばないで軽作業などの就労訓練をおこなうことが可能な福祉サービスのこと(原文ママ)https://works.litalico.jp/column/system/002/
(※3)農福連携…障害者等が農業分野で活躍することを通じ、自信や生きがいを持って社会参画を実現していく取組(原文ママ)。https://www.maff.go.jp/j/nousin/kouryu/kourei.html