にこ~るブログ
2022.03.04
第18回手話寺子屋オンライン講演会

 2月27日(日)第18回手話寺子屋オンライン講演会が開催されました。テーマは「手話×可能性=無限大∞」。特定非営利活動法人NPOデフNetworkかごしま理事長兼、一般社団法人Sonrie代表理事の澤田利江氏にご登壇いただきました。
 今回の講演会は、鹿児島からの参加者がとても多かったとのこと。澤田氏の多くの活動が鹿児島ではとても有名で、一度お話を聞いてみたいと思われた方が多いことが分かりました。

 

 澤田氏は両親ともろう者のデフファミリーでしたが、ご両親からは「貴女は難聴者」と言われ育ってきて、小学校から最初に入社した会社までずっと聴者の世界で「難聴者」として過ごしてきたそうです。しかし、米内山明宏さんとの出会いや、アメリカやヨーロッパに行った時に出会ったろう者の姿を見て、カルチャーショックを受け、「聴こえる方が良い」「自分は難聴である」と思っていた自分のアイデンティティについて葛藤することになったそうです。
 その後、地元鹿児島で幼馴染に会った時に、レストランの注文を自分たちでしないで、口話ができる澤田氏に注文を頼んでくる姿を見て「彼らにもできることがあるのに、いざとなったら聴者に頼るのか?」と疑問に思ったそうです。東京のろう者と鹿児島のろう者の違いについて考え、これはろう者が悪いのではなく、環境に問題があるという結論に至り、そして、「東京のろう者を目指せ!」と活動を開始したそうです。
 その活動内容は、ろう者向けの情報機関誌の作成、学習塾デフスクール・デフフリースクールの立ち上げ、ろう者を呼んでの講演会など多岐にわたります。

 最後に、ろう者が主体性を持って仕事をするにあたり大事なことを、いくつか挙げておりました。その大事なこととは、誇りを持つこと、自己研鑽すること、経験や規則から何を学んだのかをフィードバックすることです。
 この事は聴者も主体性を持って仕事をするにあたり必要な事なのではないかと思いました。