- 2022.08.10
- 聴覚過敏について
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今回のにこ~るブログでは「聴覚過敏」についてお話いたします。
【聴覚過敏とは】
日常の環境音などが過度に大きくきこえる症状で、不快感を伴います。「響く」、「割れる」、「エコーがかかる」ようにきこえ、時に耳痛や頭痛を伴うこともあるそうです。また、詳しいことが分かっていなかったり、専門家によっても意見が様々に分かれたりしているようです。
聴覚過敏には主に下記の4つの原因で引き起こされるそうです。
●耳の疾患
・メニエール病、突発性難聴や急性低音障害型感音難聴で起きるリクルートメント現象(※1)によって聴覚過敏が引き起こされることがあるそうです。
・顔面神経麻痺(※2)により、耳の中にある「あぶみ骨」の筋肉が緩むと、聴覚過敏を起こすことがあるそうです。
(※1)リクルートメント現象…「聴覚補充現象」とも。感音難聴は小さな音が聞こえない一方で、大きすぎる音には敏感で不快な音になってしまう現象。
(※2)顔面神経麻痺…顔の筋肉が麻痺してしまう病気。早めの受診が必要。
●発達障がい、てんかん・偏頭痛など脳の機能によるもの。
・発達障がい、中でもASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)の人は、五感が定型発達の人に比べると、外部の刺激に対して過敏になるため、聴覚過敏等、感覚過敏の特性を持つ人が多いと言われています(ただし、逆に鈍感になる特性の人もいるため、すべての発達障がい、ASD、ADHDの人が聴覚過敏の特性を持っているわけではありません)。
・てんかんや偏頭痛を持っている人は、脳の神経細胞の過剰興奮などによって、聞きたい音を上手く選ぶことができない状態になるため、結果的に聴覚過敏を引き起こしてしまうそうです。
●ストレスが起因する心の不調(うつ病など)
正確なメカニズムはわかっていないようですが、例えば、うつ病によって自律神経が乱れていると、防御反応として脳が敏感になり、普段気にならない音や声に対して過敏に反応することがあります。
●HSP (Highly Sensitive Person)
上記英語は「非常に繊細な人」という意味です。一般の人よりも感受性が高く、外部からの刺激に敏感な人々を指します。HSPは刺激に対して扁桃体が過剰に反応してしまう状態で、病気ではなく「気質」だそうです。生まれ育った環境やその人の性格によるものではないことが分かっています。
五感で受ける刺激に対して敏感のため、聴覚に対する刺激にも敏感になります。
【対策・対処法】
ノイズキャンセリングイヤホンやイヤーマフ等できこえ過ぎる音を遮断する方法は、ある程度有効です。ですが、長時間装着し続けると却って音量の認知機能を増悪させる可能性あるため、音が苦痛でどうしようもない場合など、ある程度の条件下で使用することがお薦めだそうです。
また、耳の疾患よる聴覚過敏に関しては、耳鼻咽喉科。てんかんや偏頭痛の場合は、神経内科。心因性のものや原因不明のものは、精神科・心療内科を早めに受診しましょう。HSPの心配のある方は、刺激を受けすぎて日常生活に支障が出ないよう、専門機関でカウンセリングを受けるのも1つの手段だそうです。
※当ブログにおける情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする場合は、適切な医療機関での受診をおすすめします。
【参考文献】
・難聴の聞こえの改善方法(リクルートメント現象)
・聴覚過敏とは?原因や症状、日常生活や仕事できる対策を紹介します。
・聴覚過敏の診断と治療
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/120/9/120_1184/_pdf
・発達障害の特性対応と方法を知る
https://www.koubundou.co.jp/files/65188.pdf
・HSP(Highly Sensitive Person)とは?発達障害との違いや対処法について
https://tokyo-brain.clinic/psychiatric-illness/hsp/4906
・心が疲れやすくて生きづらい…それは「HSP」かもしれません | 睡眠・休息・メンタルケア | サワイ健康推進課
https://kenko.sawai.co.jp/mental-care/202103.html
・聴覚過敏|あさひ町榊原耳鼻咽喉科医院|山形市の耳鼻科
http://jibikkuma.jp/choukakukabin.html
・顔面神経麻痺について – 伊月病院