私たちの活動は
コーダ子育て中の当事者である、ろうスタッフとして
コーダ子育てに関する情報提供や交流イベントなどを
開催しています。また、聞こえない親とコーダが聞こえる社会で
安心して暮らすための地域の方との連携づくりや、
理解を深めていただくための啓発活動をしています。
ご用命がありましたら、coda.wp(アット)osbs.co.jpまでご連絡ください。
コーダを子育て中のお父さん、お母さんはじめまして!
このHPに書かれていることは、聞こえない自分から生まれた聞こえる子(コーダ)との接し方のヒントとなるよう、成人コーダやコーダ研究者などの皆さんの経験談や意見をお伺いしながら、コーダ子育ての先輩の立場からおはなしさせていただいております。
子育てには正解がなく実に三者三様です。コーダであるわが子とのかかわり方のヒントを探す、くらいの気持ちでお読みいただけると嬉しいです。
「コーダ」という言葉が最初に作られたのは1983年のアメリカです。聞こえない両親を持つアメリカ人コーダ、ミリー・ブラザーが作ったニュースレターをきっかけに、まずはアメリカで、そして次第に英語圏で、コーダの集まりが開かれるようになっていきました。
日本では、「コーダ」という概念は、1995年前後に「ろう文化」の考え方と共に紹介されました。そのため、「コーダ」は、手話が堪能で「ろう文化」を受け継いでいるという、バイリンガル的なイメージが強くなりました。しかし、「コーダ」というのは、あくまでも「聞こえない親を持つ聞こえる人」を意味していて、手話が上手かどうかは問われません。
聞こえない親を一人以上持っていれば、その聞こえる子どもはコーダである
「コーダ」という言葉が日本に紹介された当初は、聞こえない親から生まれた聞こえない子も「コーダ」に含まれるのではないかと捉えられたこともありました。しかし、聞こえない親を持つ聞こえない人は「デフファミリー」という言葉を使い、「コーダ」は聞こえない親を持つ聞こえる人だけを指します。
コーダ
1994年にアメリカで出版された『聞こえない親をもつ聞こえる子どもたち(Mother Father Deaf)』という本では、聞こえない人の90%は聞こえる人から生まれ、聞こえない人から生まれる子どもの90%は聞こえるコーダであると記されています(Preston 1994)。
聞こえない人の中でも、手話を中心的なコミュニケーション手段として使っている人を「ろう者」と呼びます。「ろう者」は、日本語とは異なる言語体系を持つ手話言語を用い、手話と視覚に基づく生活様式(ろう文化)を身につけ、社会におけるマイノリティ(少数派)として生活しています。
「ろう者」の親の下で育つコーダは、手話言語と音声言語、ろう文化と聴文化(聞こえる人が前提としている生活様式)という、二つの言語と文化にふれることになります。コーダは、小学生頃になると、聞こえない人に対する社会の見方や扱い方にショックを受け、「親を守らなくては」と構えてしまうこともあります。そのため、年齢に合わないような責任やケアを担うことになるコーダも多く見られます。
コーダ子育て支援事業では、コーダたちが年齢相応の子どもらしく育つことができるように、聞こえない親向けの子育て相談や情報交換の場を提供します。そして、コーダたちが経験する誤解やプレッシャーを少なくしていくために、このHPでも、コーダとその親についての正しい知識を伝え、理解を広めていきたいと思います。
コーダに関わるすべての人々に「コーダの心境を少しでも知っていただき、他の子どもと同じように接してもらいたい」という想いからコーダ子育て中の親と成人コーダが話し合いを重ねながら作成いたしました。
コーダ子育て中のみなさま、このパンフレットに「我が家の場合は、このようにしていただけると助かります」など具体例を添えた上で、日ごろ関わる方々と相談をしながら、双方にとって最善な方法を見つけてください。
また、学校関係者・習い事・医療関係者・行政職員など多くの方に読んでいただきたいと思っております。
2022年2月より無料配布を始めて1年経過しました。
嬉しいことに、冊子とダウンロードを合わせて★2,000冊以上★配布することができました!
みなさまのご理解と周知のご協力のおかげで聞こえない親、聞こえる子ども(コーダ)、そして関わる人たちの笑顔が花咲くように広がっていくと思うと感謝しきれません。ありがとうございます。
引き続き、今年度もパンフレットの周知にご協力いただけると幸いです。進級に伴い、パンフレットの再請求も受け付けております。
コーダ子育てに関する記事を不定期に情報発信してまいります。
ぜひフォローやスキをしていただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。
コーダに関わるすべての人々に「コーダの心境を少しでも知っていただき、他の子どもと同じように接してもらいたい」という想いからコーダ子育て中の親と成人コーダが話し合いを重ねながら作成いたしました。
コーダ子育て中のみなさま、このパンフレットに「我が家の場合は、このようにしていただけると助かります」など具体例を添えた上で、日ごろ関わる方々と相談をしながら、双方にとって最善な方法を見つけてください。
また、学校関係者・習い事・医療関係者・行政職員など多くの方に読んでいただきたいと思っております。
2022年2月より無料配布を始めて1年経過しました。
嬉しいことに、冊子とダウンロードを合わせて★2,000冊以上★配布することができました!
みなさまのご理解と周知のご協力のおかげで聞こえない親、聞こえる子ども(コーダ)、そして関わる人たちの笑顔が花咲くように広がっていくと思うと感謝しきれません。ありがとうございます。
引き続き、今年度もパンフレットの周知にご協力いただけると幸いです。進級に伴い、パンフレットの再請求も受け付けております。
コーダ子育てに関する記事を不定期に情報発信してまいります。
ぜひフォローやスキをしていただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。
【第8回オンライン企画】池田亜希子氏 オンラインワークショップ「『今しかない子育て』を楽しみましょう! ~手話で育てることの難しさと楽しさ~ 」
【第7回オンライン企画】池田亜希子氏「~めだかの教育現場から~こどもってすごい!コレを知っていれば、子育てがラクになる!?」
【第4回オンライン企画】 五十嵐 大氏「聴こえる・聴こえないを越えた親子関係を構築するために~コーダは親になにを求めるのか~」
【第3回オンライン企画】 小野広祐氏 小野優子氏「ろう父+聴母+コーダ息子のマルチカルチャー 異文化結婚からの子育て奮闘記」
りきちゃあさんが運営しているLINEオープンチャットを紹介します。
コーダ研究に携わるコーダが、全国のコーダと、そのお父さまやお母さまに向けて、コーダを扱ったメディア・HP・本・研究など詳しく載せてあります。
HP:http://shibuto.la.coocan.jp/sub6.html
著書『コーダの世界―手話の文化と声の文化』 ろう者・コーダとは違った第三者の視点からみえるものを数多く紹介してある良書です。
『公益財団法人 三菱財団 社会福祉事業』助成
監修:澁谷智子 製作・著作:社会福祉法人聴力障害者情報文化センター
DVD製作に関わったコーダ子育て支援製作委員会の活動趣旨と理由説明
貸し出しのお問い合わせは、社会福祉法人聴力障害者情報文化センター まで
高知生まれ、高知育ちの3人姉弟!聴覚障害の両親を持つCODA(コーダ)の方で、兄弟でありながらも一人ひとり違う経験をしてきたコーダが感じたことを素直に語りながら面白楽しく発信しています。近くにいるようで親近感がわきます。
イベント企画を通して、コーダ同士が繋がれる場を提供しています。
https://www.facebook.com/山梨コーダの会-1637015556561262/
いいえ、そんなことはありません。家の中ではTVなど、外では保育園の先生との会話など日本語の環境があります。聞こえる子どもは耳から自然と日本語が入り覚えてゆくことができます。逆に日本語の環境が全くなく、親子間のコミュニケーション手段が手話だけだとすれば、手話が日本語習得の妨げとなる可能性はあるでしょう。聞こえる子にも日本語の習熟度に個人差があるようにコーダの子どもの日本語も似たようなケースと考えられます。聞こえない親は聞こえる子どもの日本語の間違いに気づきにくいので保育園の先生など、周りの大人に少しの助けをお願いをしてもよいでしょう。
まず、手話と指文字の違いについて説明しましょう。指文字は手話ではありません。文字です。(岡典栄・赤堀仁美著『日本手話のしくみ』大修館書店)日本語に置き換えるとカタカナの使い方に近いものがあります。例えば、「今行きます」について話すとき手話では「/今/行く/pt-1(私)/」と表し、指文字だと「イ・マ・イ・キ・マ・ス」と表します。短文なら比較的理解しやすいですが、文章がより長くなる場合は、指文字で表すのにとても時間がかかりますし、また読み取るのも非常に大変です。日本語をすべてローマ字で書いたものを読む労力と似ていると思います。
子どもがまだ幼く指文字と手話の区別があいまいな時に先に指文字を教えるとすべての事柄を指文字で表すようになります。先ほどの「イ・マ・イ・キ・マ・ス」を子どもが表したとき、親としては「/今/行く/pt-1(私)/」という手話があることを理解してもらうため、「手話で話してみてね」と伝えた場合、子どもにしてみれば「ちゃんと手話で言ったのに」と自分が受け入れてもらえなかったと感じてしまいます。
かといって、指文字なしで会話をするのにも限界があります。固有名詞や人名、外来語(日本語でも外来語はカタカナで表しますね。手話にとっても日本語は外来語にあたります)は指文字を使います。なので、あいうえお表をつかって指文字を一つずつ教えるのではなく生活の中で自然と指文字を使っていくのがいいでしょう。例えば「/母/名前/田中/ハナコ(指文字)/」「/お菓子/ラムネ(指文字)/おいしい/」など必要な時に指文字を使うと、手話における指文字のルールに気づき、こうした実体験を元に子どもの脳内にパズルをはめるかのように指文字表が創り出されていきます。ある程度ルールに従って指文字を使えるようになってきたら、その時は指文字表を出して確認するように表してみてもいいでしょう。
日本には日本語の文法に沿って声を出しながら手話を表す「日本語対応手話(手指日本語)」と独自の言語体系を持つ「日本手話」があります。これらの違いについては別に述べることにして、親が声を出しながら手話をするのは、子どもとは手話で話したいと気持ちの表れです。ですが、手話と一緒に声を出すと、子どもは手話を見ません。聞こえるのだから、声だけを聴けば手話をよく見る必要がないのです。手話を見るようにしないといつまでたっても子どもは手話を使えるようにはなりません。このままでは「親子間の会話は手話で」という願いは難しいものとなります。
では、手話を見てもらえるようにするためには、どのような工夫をすれば良いでしょうか。例えば、お茶が欲しいかを聞くとき、手話と声で同時に話すのではなく、まず子どもの肩を軽くたたいたり、視野に入るよう手を振るなどして、子どもの注意を引きましょう。注意を引けたら、手話で「Pt-2(あなた)/お茶/飲む/希望?」と表しましょう。
声を出すのであれば、手話の後に声を出してもいいでしょう。大切なのは手話と声を切り離すことによって手話に注視する時間を作ることです。
子どもは、始めはわからなくても何度も見ているうちに段々と手話を理解していきます。ほかの言語でも同じことが言えます。ホームステイした家で毎日英語を聞いていたら始めは意味がわからなくても、そのうちなんとなくと分かってくる、そんな状況と似ています。手話のシャワーを意識して浴びさせるとよいでしょう。そうすれば、少しずつ親子間の会話が手話となることでしょう。
父さん、お母さんの役に立ちたいと自発的に通訳してくれるその姿は微笑ましくうれしく感じますね。子どもの理解できる範囲で自発的にするのであればよいのではないでしょうか。例えばレストランでの注文、コンビニでのレジなどの簡単なやりとりがそうですね。
ここで大切なのは
① 子どもが自発的にする
② 子どもの理解できる範囲での会話
③ 子どもがろう親がこの通訳手段以外の伝達方法を持っていることを理解している
の3点です。
特に③については、コーダである自分の通訳なしではろう親は生活できないと子どもが思うようになると、健全な親子関係を築くことが難しくなるかもしれません。そうならないためには、子どもが通訳してくれたことにお礼を言いつつも、ろう親である私たちは筆談や機器などを使ってのやり取りもできるから、そんなに心配しなくても大丈夫だよと子どもに伝え、安心させるとよいでしょう。
母子手帳取得や育児準備のほかに、安全なお産が出来るように、自分が聞こえないことを周囲に知らせて、最低限必要な情報保障の準備をしましょう。 分娩や帝王切開の時など、補聴器や眼鏡やコンタクトが使えなくなる場合があるので、その状態で筆談、手話、指さしボートなど、最もコミュ二ケーションしやすい手段を病院関係者や家族と話し合っておきましょう。
聞こえない親ならではの育児経験は、育児書にはあまり掲載されていません。出産してから、子育てに関する悩みがどんどん出てきます。出産後は思うように相談できる時間が取れない場合が多いので、お産する前に、聞こえない先輩パパ・ママの話をたくさん聞いておきましょう。お友達や知り合いから先輩パパ・ママを紹介してもらうと良いでしょう。
緊急時にどうすればいいのか、は聞こえない人にとって死活問題です。技術の進歩により今では電話リレーサービスやタクシー配車アプリ、救急アプリなど、便利なツールがいくつかあります。ですが、昔と比べ便利になったとはいえ、それらは24時間体制でなかったり通じにくかったりと問題点がいくつかあり、十分とは言えません。うまく使いこなしていきましょう。聞こえない親の中には、日ごろから家の近くの交番や消防署などの24時間開所しているところに聞こえない家族がいるということをアピールし、緊急時には交番や消防署などに駆け込んで代わりに電話をしてもらったという人もいます。
聞こえないパパ・ママのためのいくつかの便利な機器があります。一例として、聴覚障がい者向けの屋内信号装置(福祉給付の対象品)は、赤ちゃんの泣き声を感知して振動やランプで知らせてくれる機能があります。
また、赤ちゃんの手を握りながら寝る、赤ちゃんの背中と敷布団の間に手を挟んで寝る、親のわきの下に赤ちゃんを寝かせるなどの工夫をした人もいます。
ハイハイするようになると、たくましいもので、自分から親を起こしに来る例もあるようです。
夜まとめて寝るようになるまでの間、機械の助けを借りたり等、工夫して乗り切りましょう。
コーダの友達を作ってあげるというのは、とても大切な考え方だと思います。コーダは年齢が上がってくるにつれ自分の家庭が一般的な家庭とは違うことに気づき、様々な葛藤を持つようになります。そんな時に同じ境遇の友達や年の近いコーダがいると心強く感じるようです。親やほかの友達には話しにくいコーダならではの悩みも年の近いコーダの友達には話しやすいことでしょう。
コーダの友達を作るためには、聞こえない人の集まりに積極的に参加するとよいでしょう。例えばコーダ育児支援の企画や、ろう者スポーツ大会や同好会、ろう学校の同窓会、ろう協会の企画などがあります。親である自分と同世代の聞こえない人たちが集まるところに行くと自分の子と年が近い子を持つ親と出会えることでしょう。また、そこで紹介してもらうことによってつながりが広がることもあるでしょう。
コーダについてまとめたこちら(PDF「(仮)コーダトリセツ」←現在制作中)を渡し、その内容に沿ってお話しするとよいでしょう。例えば、聞こえない人たちは相手を呼ぶときに軽く肩をたたきます。聞こえる人たちはこの方法になじみがありません。とくに子ども同士の場合、コーダである子どもが友達を呼ぼうと軽く肩をたたくと「たたかれた!」と泣かれるなど、誤解されやすいケースがあります。
季節の変わり目は特に子どもの体調管理には気を使いますね。顔色が悪い、食欲がない、寝つきが悪いなど、いつもと違う様子から子どもの体調の変化に気づくものです。ですが、体調不良による声の変化などは、聞こえない親にとって気づきにくいものです。日ごろから、子どもの通う保育園・幼稚園に、こういった声の変化などについて気づいたら教えてほしいと伝えておくとよいでしょう。
具体的にこれらの項目を中心に伝え、協力していただくとよいでしょう。
・声の変化(鼻づまり、鼻声など)
・痰がからむ音がする
・お昼寝の時の呼吸音
お子さんに日本語と手話の二つの言語を操れるあなたはすごい!と自信を持たせるようなポジティブなイメージを積極的に話されるとよいと思います。パパとママが堂々としていれば、お子さんは手話を恥ずかしがるようなことがなくなります。
父さん、お母さんの役に立ちたいと自発的に通訳してくれるその姿は微笑ましくうれしく感じますね。子どもの理解できる範囲で自発的にするのであればよいのではないでしょうか。例えばレストランでの注文、コンビニでのレジなどの簡単なやりとりがそうですね。
ここで大切なのは
① 子どもが自発的にする
② 子どもの理解できる範囲での会話
③ 子どもがろう親がこの通訳手段以外の伝達方法を持っていることを理解している
の3点です。
特に③については、コーダである自分の通訳なしではろう親は生活できないと子どもが思うようになると、健全な親子関係を築くことが難しくなるかもしれません。そうならないためには、子どもが通訳してくれたことにお礼を言いつつも、ろう親である私たちは筆談や機器などを使ってのやり取りもできるから、そんなに心配しなくても大丈夫だよと子どもに伝え、安心させるとよいでしょう。
親が聞こえる、聞こえないにかかわらず思春期の子はそういう傾向にあるようです。我が子にそんなことを言われてショックを受けてしまいそうですが、まずは一呼吸おいてどうして嫌なのかを子どもに丁寧に聞いてみましょう。もし、例えば手話通訳者の存在が嫌なのであれば「私一人だけで見に行くというのなら行ってもいい?」と聞いたりするなどして、お互いの気持ちをくみ取れる方法を探してみてはいかがでしょうか。
高度な内容での通訳は負担が大きいです。お子さんにしてみれば、第三者の通訳者が入ってくることに抵抗があるのかもしれませんが、お子さんが通訳することはあまりお勧めできません。お子さんに詳しく話しを聞き、例えばこの通訳者ならいいという場合もあるので、話し合って譲歩案を探ってみてください。